第3回 イ・ランと柴田聡子『ランナウェイ』

2022.01.14

歌のかたち

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歌のかたち

 

CDやレコード、カセットテープ。歌はいろんな「かたち」で聴き手の元にやってきます。歌だけでなく、ジャケットや歌詞カードのデザイン、素材、手触りにも目を向けてみると、つくり手のこだわりがもっと感じ取れるものです。インターネットでも手軽に歌を聴くことができるこの時代、それでも実物を手にしてよかったと感じる歌の「かたち」について目を向けてみるコラムです。

 

 

第3回 イ・ランと柴田聡子『ランナウェイ』

 

 

 

 

今からちょうど3年前くらいだったと思う。花京院にある「ボタン」という本屋をふらりと訪れ、イ・ランと柴田聡子の『ランナウェイ』というCDを買った。私はこの曲を、雪がちらつく静かな午後、早くに傾いた陽の光がすうっと射して、柔らかくきらきら反射する風景を思い浮かべながら聴いている。買ったのが、そんな冬の時期だったからかもしれない。

 

そんな美しい楽曲でありながらも、このCDのパッケージはかなり面白い。ボリュームのあるブックレットと、2人の写真がレンチキュラーカードになってディスクケースに挟み込まれている。レンチキュラーカードとは、カードの角度を変えると違う写真が見えてくるカード(子ども向けのチョコレート菓子なんかについている、あれ)。収録されている楽曲は美しさもありながら、ユーモアもたっぷり。楽曲が生まれた時のことやイ・ランと柴田聡子の友情も一緒に、ぎゅっと綴じ込まれた素晴らしい作品。

 

サブスクリプションで音楽を聴く時には、ジャケット画像は1枚のメインビジュアルのみ。実物のパッケージがこんなにも楽しいCDに出会ってしまったから、やはりCDが一番だなあと、深く実感するのであった。

 

 

 

 


 

 

▷『ランナウェイ』の視聴はこちら

 

 

イ・ランと柴田聡子

韓国ソウル生まれのマルチ・アーティストであるイ・ラン(이랑)と、詩人やエッセイストとしても活躍しているミュージシャンの柴田聡子によるコラボレーション。

 

イ・ラン Twitter

柴田聡子 HP

 

記事を書いた人

伊藤 優果

SURUCCHAスタッフ・ライター

宮城県仙台市生まれ。大学生の頃にウェブマガジンの取材記事を執筆し、ことばを形にして人へ伝える喜びを知る。卒業後は地元の印刷会社に就職し、営業職を経験。紙や印刷技術が持つ無限の可能性に魅せられ、印刷はひとつの表現方法であると考えるようになる。現在はブライトにて、シルクスクリーン印刷所「SURUCCHA」のスタッフや、ライターとして勤務。心がけていることは「一刷入魂」。

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