Vol.7 細い字を刷る

2023.02.20

SURUCCHA実験室

読みもの

『SURUCCHA LABO -シルクスクリーンの実験室-』

 

1TO2BLDG.3階にある、シルクスクリーンのワークスペース「SURUCCHA(スルッチャ)」が担当する、シルクスクリーンを楽しむための印刷実験コラム『SURUCCHA LABO -シルクスクリーンの実験室-』。

 

「シルクスクリーンって何?」という初心者の方から、「シルクスクリーンはやったことがあるから、もっとレベルアップしてみたい」という方まで!シルクスクリーンにもっと興味を持っていただけるような、印刷実験の模様をお届けします。

 

今回は、お客さまからよくいただくご質問、「どのくらい細い字や線が刷れますか?」について、実際に印刷して実験してみようと思います!

 

 

Vol.7 細い字を刷る

 

SURUCCHAでのシルクスクリーン製版の網目の細かさには、70メッシュと120メッシュの2種類があります。

 

 

 ・70メッシュ 粗め。インクがよく通るので、布に印刷するのに適している。

 

 ・120メッシュ 細かめ。細くこまかい図案を印刷する場合や、紙に印刷するのに適している。

 

 

この2つのメッシュ数によってどのような違いがでるのか、実際に印刷したもので見比べてみましょう。

 

 

 

70メッシュの場合

 

 

 

 

文字については、このような結果になりました!

 

8pt、10ptともにどのフォントでもきれいに刷れましたが、10pt以上あると確実な印象。6pになると、【游ゴシック体 Bold】ははっきりと読み取れますが、【游明朝体 Medium】はかすれ気味。刷り方や素材によっては読み取りづらくなってしまうかもしれません。4ptになると、どのフォントも非常に読みづらい結果に!

 

 

 

 

次に、線の場合はどうでしょうか。

 

0.1mmは完全にかすれ、0.25mmもムラができてしまいました。ここはひとつ、安心の0.5mm以上の線にするのが良さそうです。

 

 

 

最後に、手描き原稿の場合のペンによる違いは、このような結果に!

案外、シャープペンやボールペンでも、はっきりきれいに印刷することができました。0.5mm以上の太さのペンではっきりとさえ描けば問題なさそうです。太めのサインペンははっきりと印刷することができてなお良し!ですね。

 

 

120メッシュの場合

 

 

 

細かめの120メッシュは、全体的にきれいで読みやすい印象!こちらも8pt・10ptは問題ないですが、6ptもほぼほぼ読み取れました。さすがに4ptは読みづらい結果になりました。

 

 

 

 

こちらは、70メッシュとあまり変わらず。やはり線に関しては、0.5mm以上あると安心ですね。

 

 

 

 

最後にペンについては、こちらもすべてのペンではっきりくっきりと印刷することができました。心なしか、70メッシュよりもきれいに印刷できているような・・・?!網目が細かい分、繊細な原稿でもきれいに印刷できるのかもしれません。

 

 

結果!

 

文字はゴシック体・8pt以上、線は0.5mm以上がおすすめ。

ペンは濃くはっきり描けばなんでもOK!

細かい図案の場合は、120メッシュが適している!

 

実際に刷り比べてみて初めて分かることばかりで、原稿作成に活かせそうなポイントがたくさんありました。どうしても、刷り加減、刷る回数、素材の生地、選ぶインクによって、仕上がりに差が出てくるため、あくまでも参考にしていただけたら嬉しいです。

 

 


 

シルクスクリーン印刷所 SURUCCHA

仙台市青葉区片平1-3−35 1TO2BLDG.3F

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記事を書いた人

伊藤 優果

SURUCCHAスタッフ・ライター

宮城県仙台市生まれ。大学生の頃にウェブマガジンの取材記事を執筆し、ことばを形にして人へ伝える喜びを知る。卒業後は地元の印刷会社に就職し、営業職を経験。紙や印刷技術が持つ無限の可能性に魅せられ、印刷はひとつの表現方法であると考えるようになる。現在はブライトにて、シルクスクリーン印刷所「SURUCCHA」のスタッフや、ライターとして勤務。心がけていることは「一刷入魂」。

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