第11回 松任谷由美『PEARL PIERCE』

2023.06.17

歌のかたち

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歌のかたち

 

CDやレコード、カセットテープ。歌はいろんな「かたち」で聴き手の元にやってきます。歌だけでなく、ジャケットや歌詞カードのデザイン、素材、手触りにも目を向けてみると、つくり手のこだわりがもっと感じ取れるものです。インターネットでも手軽に歌を聴くことができるこの時代、それでも実物を手にしてよかったと感じる歌の「かたち」について目を向けてみるコラムです。

 

 

第11回 松任谷由美『PEARL PIERCE』

 

 

 

今まで私がレコードをかけていても何の興味も示さなかった妹が、私が初めてレコードを手にしたのとまったく同じ歳に、まんまとハマり始めたらしい。音楽に限らず、私たちの趣味はよく似てる。

 

そんな妹が中古レコードの詰め放題で買ってきてくれたのが、松任谷由美の『PEARL PIERCE』。私がユーミンが好きになった頃からよく聴いる作品で、いつかレコードに出会ったら買おうと決意してから早数年。妹のおかげでやっと手にすることができた。

 

レコードで手にしたかった理由はもう一つ。それは、安西水丸さんのイラストが収められた歌詞ブックレット。楽曲とイラストが一つの作品となることで、まるで映画を観ているかのように、私の頭の中には切なくてきらきらしたストーリーが色濃く映し出される。80年代を生きたことはないけれど、その時の華やかな空気感みたいなものが伝わってきて、ちょっと憧れてしまうのだ。

 

今年の夏は、ターンテーブルの上をくるくる回るかき氷を眺めながら涼もう。

 

 

 

 


 

 

▷収録曲『真珠のピアス』の視聴はこちら

 

松任谷由美

言わずと知れた、日本を代表するシンガーソングライター。2022年にデビュー50周年を迎え、2023年5月に “50th Anniversary 松任谷由実コンサートツアー「The Journey」” がスタートし、12月まで全54公演を予定している。

 

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記事を書いた人

伊藤 優果

SURUCCHAスタッフ・ライター

宮城県仙台市生まれ。大学生の頃にウェブマガジンの取材記事を執筆し、ことばを形にして人へ伝える喜びを知る。卒業後は地元の印刷会社に就職し、営業職を経験。紙や印刷技術が持つ無限の可能性に魅せられ、印刷はひとつの表現方法であると考えるようになる。現在はブライトにて、シルクスクリーン印刷所「SURUCCHA」のスタッフや、ライターとして勤務。心がけていることは「一刷入魂」。

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