歌のかたち
CDやレコード、カセットテープ。歌はいろんな「かたち」で聴き手の元にやってきます。歌だけでなく、ジャケットや歌詞カードのデザイン、素材、手触りにも目を向けてみると、つくり手のこだわりがもっと感じ取れるものです。インターネットでも手軽に歌を聴くことができるこの時代、それでも実物を手にしてよかったと感じる歌の「かたち」について目を向けてみるコラムです。
第11回 松任谷由美『PEARL PIERCE』
今まで私がレコードをかけていても何の興味も示さなかった妹が、私が初めてレコードを手にしたのとまったく同じ歳に、まんまとハマり始めたらしい。音楽に限らず、私たちの趣味はよく似てる。
そんな妹が中古レコードの詰め放題で買ってきてくれたのが、松任谷由美の『PEARL PIERCE』。私がユーミンが好きになった頃からよく聴いる作品で、いつかレコードに出会ったら買おうと決意してから早数年。妹のおかげでやっと手にすることができた。
レコードで手にしたかった理由はもう一つ。それは、安西水丸さんのイラストが収められた歌詞ブックレット。楽曲とイラストが一つの作品となることで、まるで映画を観ているかのように、私の頭の中には切なくてきらきらしたストーリーが色濃く映し出される。80年代を生きたことはないけれど、その時の華やかな空気感みたいなものが伝わってきて、ちょっと憧れてしまうのだ。
今年の夏は、ターンテーブルの上をくるくる回るかき氷を眺めながら涼もう。
▷収録曲『真珠のピアス』の視聴はこちら
松任谷由美
言わずと知れた、日本を代表するシンガーソングライター。2022年にデビュー50周年を迎え、2023年5月に “50th Anniversary 松任谷由実コンサートツアー「The Journey」” がスタートし、12月まで全54公演を予定している。
▷HP
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