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Vol.1  渡辺 沙百理さん(イベントプランナー)/前編|読みもの|それいけイチトニ編集室

Vol.1  渡辺 沙百理さん(イベントプランナー)/前編

2021.08.06

一歩目二歩目

読みもの

『1歩目、2歩目の足跡』

 

さまざまな分野で活躍している大人たち。きっと一直線にまっすぐに、歩いて来た人ばかりではないはず。どうしてこの道に足を踏み入れたのか。どんな道のりを歩いて来たのか。これまでどんなきっかけや、出会いがあったのか。ふだんは中々聞けない、そんな「1歩目」「2歩目」のお話を聞いてみる企画です。

 

 

 

 

Vol.1  渡辺 沙百理さん(イベントプランナー)/前編

 

渡辺さんは、仙台を中心にイベントプランナーとしてさまざまなイベントを企画し、人やものが繋がる場をつくっています。そんな渡辺さんはイベントプランナーになるまで、どんな道を歩いてきたのでしょうか。その道には、これまでどんなきっかけや、出会いがあったのでしょうか。そんなイベントプランナーとしての「1歩目」「2歩目」について、お話を聞いてみました。前編では、学生時代の夢や大学で学んだこと、はじめに就いたお仕事について。

 

 

雑誌をめくって見つけた夢

 

― このインタビュー記事は、さまざまな分野で仕事や活動をしている大人たちに、これまでどんな1歩目、2歩目を踏み出してきていまのご自身に至るのか、そんなことを訊ねていく企画です。どんなきっかけや転機がいまにつながっているのか、聞かせてください。まずは幼少期のことから。ずばり、渡辺さんはどんな子どもでしたか。

 

幼少期はとても大人しい子どもでした。親戚やいとこ達が集まっても輪に入れなくて、一人で大好きだったお絵描きをしているような。周りのお友達からは「お人形さんみたいだね」って言われるぐらい静かな子どもでした(笑)。小学生や中学生頃のことは…、正直あんまり覚えていないです。

 

― では、高校生の頃は?

 

高校の頃の記憶もそこまで鮮明ではないのですが…。部活はチアガールをやっていました。確か友達が所属していて楽しそうだなって思ったのと、冬は活動しないしほどほどにラクそうだなと(笑)。女子校だったのですが、女子に囲まれて生活するのはあまり向いてなかったように思います。

 

― 渡辺さんがチアガールって、ちょっと意外です。当時思い描いていた将来の夢などはあったのでしょうか。

 

きっかけや理由は覚えていないのですが、高校の頃は教員になりたかったです。国公立大学を目指すクラスに所属して、宮城教育大学を受験しようと勉強していました。でもそれが、ある時雑誌を見ていて「あ、インテリアっていいな。勉強したら面白そうだな」と、ふと思ったんです。それで結局志望先を変更し、山形にある芸工大(東北芸術工科大学)に合格して入りました。

 

 

 

 

― 目指していた夢が、雑誌をきっかけに大きく変わったのですね!

 

そうですね。本当に突然、ふと思ったっていう感じです。もともと部屋の模様替えが好きだったり、雑貨が好きだったり。昔からインテリアに興味はあったと思います。でも芸工大に入るための美術的な勉強などは一切していなかったから、なぜ合格できたのかわからないです(笑)。

 

― それはすごい。独特な発想力やセンスがあったのでしょうか。

 

うーん、もしかしたらあったのかも。入学試験では船の絵を描く問題が出されて、私は家のように「暮らせる船」を書きました。今思えば「暮らす」こととか「場所」というものに、当時から興味があったし好きだったのかもしれないですね。その発想を買われて、運良く合格できたのかな。私の人生は、思いつきと運でできている気がします。

 

 

いまにつながる「場」づくりへの興味

 

― インテリアを学びたいと入学した芸工大では、具体的にどんなことを勉強していたんですか。

 

生産デザイン学科(現プロダクトデザイン学科)で空間デザインの勉強をしていました。主に製品やインテリアなどのデザインなどで、建築とはまた違う居住空間などのもっと小さなスペースのデザインです。例えば卒業制作でつくったのは、モバイルハウス。ハウスといっても家ではなくて、持ち運びができるキャリーケースのようなものを開けると蛇腹状の椅子が出てきて、長いベンチができるというものです。そこでは誰でも自由に休んだり、仕事をしてもいいし、好きなように過ごせる。それをいろいろな場所に持っていくことで、それぞれに「場」ができるっていう。やっぱりここでも、人びとが集まる「場」をつくるということに興味があったみたいですね。

 

― モバイルハウスっていう言葉、初耳です。当時から持ち続けているその興味は、イベントプランナーとして「場づくり」をおこなう現在の渡辺さんに繋がる一歩目だったのではと、お話を聞いて感じました。きっと大学時代から、熱心に勉強されていたんでしょうね。

 

それが、大学時代は全然真面目な学生じゃなかったです(笑)。例えば手紙の重さを量るレタースケールをデザインして実際に模型をつくるという課題では、こんなもんでいいやって、粘土を適当に丸めてつくって提出したり。その結果、ダメな例としてクラスのみんなに紹介されました。確かにあんなレタースケール、誰も買わないだろうな。

 

― (笑)

 

あとは図形の六角形を描くという課題で、八角形を描いて提出してしまったこともありました。先生から「これ八角形だよ」と指摘されるまで、自分では全く気づいていなかった(笑)。

 

― 面白いエピソード、たくさん出てきますね(笑)。

 

そんなダメ学生だったけれど、大学時代はとても楽しかったです。同じゼミのみんなとは仲良くて、授業以外にでも研究室に集まって本を読んだり、先生が山に借りていた畑で野菜を育てて、それを収穫してバーベキューしたりとか。勉強だけではないそういう活動も、すごく良い経験でした。感性が育まれる環境だったし、自分自身が作られる大学時代に山形の芸工大で過ごして良かったです。でも何より、周りの友達や先生、協力してくれる周りの人や環境にとても恵まれていたと思います。卒業してからも芸工大卒の人と繋がることが多いですしね。

 

 

 

 

好きなことが仕事だった13年間

 

― ダメ学生だったとご自分で言いながらも、とても充実した大学時代を過ごされてきたことがお話からよく伝わります。そんな渡辺さんは大学卒業後、宮城に戻って就職されたんですよね。

 

はい、宮城のインテリア雑貨を扱う会社に就職しました。大学でインテリアのデザインを勉強していたものの、自分でデザインすることは得意ではないと気づいた。けれど空間をつくることやデザインされたものは好き。それならと、地元である宮城で見つけた家具やインテリア雑貨を販売するショップに、はじめはアルバイトで働きはじめました。

 

接客の仕事を中心に、途中で社員になったりしながら新店舗の立ち上げや、海外への買い付け出張などいろいろな仕事を任せてもらいました。県内の店舗を回ってノンストップで働いて、とてもハードな毎日。それでも雑貨や接客の仕事が大好きで、だから13年続けることができました。

 

 

好きなことを仕事にしてきた渡辺さんですが、退職を決意するときが来ます。一体どんな理由があったのでしょうか。後編では転機となった退職のこと、イベントプランナーとしてのはじまり、自分自身のテーマについてお聞きします。お楽しみに。(後編へつづく)

 

 


 

 

渡辺 沙百理(イベントプランナー)

宮城県大崎市生まれ。東北芸術工科大学生産デザイン学科卒業後、仙台市内のインテリアやアパレルショップを展開する会社に入社。13年間店長職や本部職に携わり、店舗運営や企画、国内外の仕入れを担当。 2016年に退職した後、知人が運営するコミュニティスペースでのイベントに魅了され翌年からイベント企画をスタートし、フリーランスのイベント企画業「PLANNING LABORATORY」を開業。ワクワクする気持ちを忘れずに、ヒトやモノ・コトを繋ぐ場づくりが好き。渡辺さんの活動や最新情報は、「PLANNING LABORATORY」のSNSをご覧ください。

 

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記事を書いた人

伊藤 優果

SURUCCHAスタッフ・ライター

宮城県仙台市生まれ。大学生の頃にウェブマガジンの取材記事を執筆し、ことばを形にして人へ伝える喜びを知る。卒業後は地元の印刷会社に就職し、営業職を経験。紙や印刷技術が持つ無限の可能性に魅せられ、印刷はひとつの表現方法であると考えるようになる。現在はブライトにて、シルクスクリーン印刷所「SURUCCHA」のスタッフや、ライターとして勤務。心がけていることは「一刷入魂」。

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