用の美通信
毎日の暮らしに欠かせない日用品。一日に何度も手にするものだから、使い心地が良く、私の暮らしにすっと馴染む美しさを持つものが良い。私がこれまでに出会った機能性・デザインがともに優れたプロダクトや、愛用している日用品について紹介していくコラムです。
Vol.2 柳宗理「ステンレスケトル」
大学を卒業しインテリアショップに勤め始めた頃、『Sendai Design Walk』という企画が始まった。当時柳宗理のプロダクトを扱うショップが参加していて家具の大丸やユナイテッドアローズなども参加していたお店を巡る企画で、当時私が勤めていたショップも参加しており、柳宗理に魅了されていった時期でもあった。
シンプルなデザインながらも手に持った時のフィット感や使用感が計算されつくされた、まさに用の美のプロダクトばかり。ちなみにCafe mugiで使っているお皿とカトラリーも柳宗理デザイン。その形には全て理由がある。
我が家にはカトラリーとケトルがある。ケトルは底面が広くてお湯が早く沸きやすく、容量もたっぷりと入る。震災時にはこのケトルでお湯を沸かしてシャワーがわりに使用した。冬は毎日ストーブの上に置いてお湯を沸かしたり、スープを温めたり、日常に溶け込んでいる。10年ほど使い、だいぶ味が出てきたけれどまだまだ現役。持ち手のグリップも手に気持ちよくフィットし、本当に長く使いたい一生モノのアイテムだ。
話は戻るが、何年か前に盛岡にある光源社に伺った際に柳宗理のテーマの会のDesign Walkのポスターが貼ってあるのを見てなんだか嬉しくなった。
柳宗理(やなぎそうり)
20世紀に活躍した、日本を代表するインダストリアルデザイナー。
記事を書いた人
渡辺 沙百理
CAFEMUGI スタッフ ・ イベントプランナー
宮城県大崎市生まれ。東北芸術工科大学生産デザイン学科卒業後、仙台市内のインテリアやアパレルショップを展開する会社に入社。13年間店長職や本部職に携わり、店舗運営や企画、国内外の仕入れを担当。 2016年に退職した後、知人が運営するコミュニティスペースでのイベントに魅了され、翌年からイベント企画をスタート。2017年よりブライトに勤務。CAFE mugiのスタッフの他、「イチとニ市」や「1が2になる学校」などの企画を担当。同時期にフリーランスでイベント企画業、「PLANNING LABORATORY」を開業。ワクワクする気持ちを忘れずに、ヒトやモノ・コトを繋ぐ場づくりが好き。2足のわらじとして様々な場所に出没中。
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