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Vol.2 シルクで刷れるもの|読みもの|それいけイチトニ編集室

Vol.2 シルクで刷れるもの

2022.04.22

SURUCCHA実験室

読みもの

『SURUCCHA LABO -シルクスクリーンの実験室-』

 

1TO2BLDG.3階にある、シルクスクリーンのワークスペース「SURUCCHA(スルッチャ)」が担当する、シルクスクリーンを楽しむための印刷実験コラム『SURUCCHA LABO -シルクスクリーンの実験室-』。

 

「シルクスクリーンって何?」という初心者の方から、「シルクスクリーンはやったことがあるから、もっとレベルアップしてみたい」という方まで!シルクスクリーンにもっと興味を持っていただけるような、印刷実験の模様をお届けします。

 

2回目の実験は…シルクスクーンで「刷れるもの」って?

 

 

Vol.2 シルクで刷れるもの

 

 

 

 

シルクスクリーンは、Tシャツやパーカー、トートバッグをはじめとする布製品への印刷に用いられることが多い印刷方法です。実際にSURUCCHAをご利用くださるお客さまも、綿などの布製品へ印刷されている方が多くいらっしゃいます。他には、紙にも印刷できることから、年賀状や名刺などのカード印刷にご利用いただくことがあります。

 

そんな中、お客さまからよく聞かれるのが「●●には印刷できますか?」という質問。

 

「これは大丈夫です」「これは難しいですね…」などと回答させていただくものの、私自身やってみたことのない素材や、インクが定着しないと言われているものの、実際に刷ってみたらどうなるんだろう?と疑問に思う素材もあります。 それなら、あらゆる素材へ印刷する実験をしてみよう!ということで、今回はお客さまからよく聞かれる素材をピックアップして実験していきたいと思います。

 

 

SURUCCHAで使用している「インク」について

 

実験に入る前に、ちょっとだけインクのお話を。シルクスクリーンのインクといっても、様々な種類があります。SURUCCHAで使用しているのは、大阪にあるJAMさんの「スリマッカインク」。JAMさんはシルクスクリーンキット「スリマッカ」だけでなく、インクまでオリジナルで開発されています!(ちなみにJAMさんは、SURUCCHAが加盟している「スリマッカプラス」というプロジェクトのリーダーです。レトロ印刷でも有名ですね。)

 

そんなスリマッカインクには、こんな特徴があります。

 

 

 

 

01.目詰まりしにくい

02.熱処理がなくても定着する

03.ポリエステル対応

04.好きな色がつくれる

スリマッカHPより引用させていただきました)

 

シルクスクリーンの工場やプロ向けのインクではなく、シルクスクリーン初心者の人や一般の人が扱いやすいインクとして開発されたそうです。水性なので、水で流すだけで片付けができるのもおすすめポイント。お家でも手軽に使えちゃいます。

 

今回は、そんなスリマッカインクの中でもこってりしていて色がのりやすい、「KOTTERI白インク」を使用して実験を行うことにします。同じ素材でも商品によってインクとの相性が異なるため、一概に印刷できる・できないを判断できるものではありません。SURUCCHAでシルクスクリーンにチャレンジする際の参考にしていただけたらと思います!

 

 

 

 

それでは早速実験してみます!

 

 

実験① ポリエステル

 

 

 

 

【結果】印刷できた!

ツルツル素材だったので印刷する前はちょっぴり不安になりましたが、きれいに仕上がりました。細い線もバッチリ。完全に乾いたのち、鉛筆でがりがりと擦って見ましたが、すぐに剥がれてしまいそうな気配はありません。

 

 

実験② ナイロン

 

 

 

 

【結果】一応、印刷できた!

スリマッカインクはナイロン素材には定着しません。しませんが、なんとこちらのナイロンポーチには印刷することができました!擦っても取れそうにない!今回用意したナイロンポーチは、インクとの相性が良い材質だったのかもしれません。

ただし若干にじんで潰れたような仕上がりに。きれいに仕上げたいなら、避けるのがベター。撥水加工されているナイロン素材は特に、インクが定着しないためおすすめしません。

 

 

実験③ 木

 

 

 

 

【結果】印刷できた!

とてもきれいに印刷できました。表面加工されていないツルツルスベスベの木材は印刷可能!お店の看板などもシルクスクリーンで作れちゃいますね。

 

 

実験④ 合皮

 

 

 

 

【結果】一応、印刷できた!

意外とよく聞かれる革製品。今回は合皮のポーチを用意してチャレンジしてみました。こちらもナイロン素材同様、仕上がりはきれいとは言えませんが一応印刷できました。こちらも鉛筆でがりがりと削ってみましたが、剥がれることなく今のところは定着しているようです。表面加工の状態で、定着するかしないかが分かれるのでしょうか。革に印刷してみたい!という方は、失敗の許されない大切な本革製品ではなく、安価な合皮素材でチャレンジしてみるのがおすすめ。

 

 

実験⑤ プラスチック

 

 

 

 

【結果】印刷はできたが定着しない!

プラスチックの代表選手、クリアファイルに印刷してみました。印刷自体はきれいにできるものの、乾燥してから擦ってみると、ご覧の通り。ボロボロと剥がれてしまいます。逆を言えば、擦ったり手で頻繁に触れることのない場所にあるプラスチック面や、後できれいに消したい場所への印刷に応用することができそうです。アクリル板やガラス板への印刷もできますね!

 

 

↑ちょっと擦っただけなのに、一瞬で剥がれてしまいました…

 

 

実験⑥ 不織布

 

 

 

 

【結果】印刷できたが、材質によってはインクが定着しない可能性がある!

今回用意した不織布の巾着袋には、比較的きれいに印刷することができました!インクの定着も問題なさそうですが、生地の目の粗さが仕上がりの粗さにも影響しました。また不織布は商品によって原材料がさまざまで、綿や麻など天然素材がメインのものから、合成繊維が使われているものなどがあるようです。撥水性のある素材を使用しているものだと、インクが定着せず剥がれてしまう場合などがあるため、注意しましょう。

 

 

用途に合わせて素材を選んで、シルクスクリーンを堪能しよう!

 

 

いかがでしたでしょうか?

綿などの布や紙以外にも、スリマッカインクがよく定着しきれいに印刷できる素材があることがわかりましたね。素材とインクの相性によって仕上がりが変わることもわかったので、「失敗しても良いから、とりあえず試しにやってみる!」という精神でチャレンジしてみると、新たな発見があってシルクスクリーンが楽しくなるかもしれません。つくりたいものや用途に合わせて素材を選んで、シルクスクリーンを堪能していただけたらうれしいです。

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 


 

シルクスクリーン印刷所 SURUCCHA

仙台市青葉区片平1-3−35 1TO2BLDG.3F

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記事を書いた人

伊藤 優果

SURUCCHAスタッフ・ライター

宮城県仙台市生まれ。大学生の頃にウェブマガジンの取材記事を執筆し、ことばを形にして人へ伝える喜びを知る。卒業後は地元の印刷会社に就職し、営業職を経験。紙や印刷技術が持つ無限の可能性に魅せられ、印刷はひとつの表現方法であると考えるようになる。現在はブライトにて、シルクスクリーン印刷所「SURUCCHA」のスタッフや、ライターとして勤務。心がけていることは「一刷入魂」。

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