第6回 高山燦基『cassette』

2022.07.04

歌のかたち

読みもの

歌のかたち

 

CDやレコード、カセットテープ。歌はいろんな「かたち」で聴き手の元にやってきます。歌だけでなく、ジャケットや歌詞カードのデザイン、素材、手触りにも目を向けてみると、つくり手のこだわりがもっと感じ取れるものです。インターネットでも手軽に歌を聴くことができるこの時代、それでも実物を手にしてよかったと感じる歌の「かたち」について目を向けてみるコラムです。

 

 

第6回 高山燦基『cassette』

 

 

 

 

最近、ミュージシャンの高山燦基さんのライブ配信を観た。それは神戸の本屋さんで行われていたもので、そのライブがとても良かった。日々のささやかな瞬間のこと、生活の中の色んな気持ちについて歌った歌を、やさしくしなやかに伝えてくれていて。

 

そして部屋の棚から、高山さんのカセットテープ『cassette(カセット)』を取り出した。カセットの本来の意味「小さな箱(宝石箱)」というタイトルが付けられたその作品を、ラジカセにセットし聴き返してみる。手にした透明なケースは光を集めてきらきらと反射したり、いろんなかたちが描かれていて、その名の通り小さな宝石箱のよう。デザインも高山さんご自身のもの。

 

高山さんの歌を聴くと、しょうもない毎日がなんだか突然良いものに思えてきて、もっと味わって生きないと、と思わせてくれる。そんな歌が詰まった『cassette』は、まさに私にとっての宝石箱。

 

 

 

 


 

 

▷『cassette』の視聴はこちら

 

高山燦基

京都でグラフィックデザイナーやミュージシャンとして活動している。

 

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記事を書いた人

伊藤 優果

SURUCCHAスタッフ・ライター

宮城県仙台市生まれ。大学生の頃にウェブマガジンの取材記事を執筆し、ことばを形にして人へ伝える喜びを知る。卒業後は地元の印刷会社に就職し、営業職を経験。紙や印刷技術が持つ無限の可能性に魅せられ、印刷はひとつの表現方法であると考えるようになる。現在はブライトにて、シルクスクリーン印刷所「SURUCCHA」のスタッフや、ライターとして勤務。心がけていることは「一刷入魂」。

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