第7回 井手健介『停泊』

2022.09.17

歌のかたち

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歌のかたち

 

CDやレコード、カセットテープ。歌はいろんな「かたち」で聴き手の元にやってきます。歌だけでなく、ジャケットや歌詞カードのデザイン、素材、手触りにも目を向けてみると、つくり手のこだわりがもっと感じ取れるものです。インターネットでも手軽に歌を聴くことができるこの時代、それでも実物を手にしてよかったと感じる歌の「かたち」について目を向けてみるコラムです。

 

 

第7回 井手健介『停泊』

 

 

 

 

音楽が大好きな私は、毎週のように気になるミュージシャンのライブに足を運んでいた時期があった。そのほとんどは、小さなライブハウスやカフェなどでささやかに開催されていたもの。ライブが終わった後にはその日の演奏の感想を伝えたり、物販コーナーのCDを直接買い求めたり。ミュージシャンとの距離が近く、コミュニケーションを取ることが楽しみの一つでもあった。

 

この『停泊』というCDを買ったのは、4年前に肴町公園前にあるコーナーハウスで行なわれた井手健介さんのライブ。その日のライブは、笑いあり涙ありでとても楽しんだ。その記憶をいつでも思い出せるようにと、井手さんから買ったものだった。紙のジャケットにはシルクスクリーンでイラストが手刷りされていて、盤面にはきらきらのペンで手描きのイラストが描いてある。CDを手にした時、あったかくていいなあと思った。そうしたら井手さんは私の名前を聞いて、かわいらしいイラストと共にサインを書いてくださった。世界に一つだけのジャケット。そのやさしさもうれしく、その思い出もまるごとCDに綴じ込められている。

 

 

 

 


 

 

▷『停泊』に収録 “青い山脈”の視聴はこちら

 

井手健介

音楽家。東京・吉祥寺バウスシアターの館員として爆音映画祭等の運営に関わる傍ら、2012年より「井手健介と母船」のライヴ活動を開始。様々なミュージシャンと演奏を共にする。バウスシアター解体後、アルバムレコーディングを開始。2015年夏、1stAL『井手健介と母船』をPヴァインより発表する。その後、2017年には、12インチ・EP『おてもやん・イサーン』(EMレコード)、1stALヴァイナル・エディション(Pヴァイン)をリリース。その他、映像作品の監督、楽曲提供、執筆など多岐に渡り活動を続ける中、2020年4月、石原洋サウンドプロデュース、中村宗一郎レコーディングエンジニアのタッグにより制作された、「Exne Kedy And The Poltergeists」という架空の人物をコンセプトとした2ndAL『Contact From Exne Kedy And The Poltergeists(エクスネ・ケディと騒がしい幽霊からのコンタクト)』をリリース。音楽活動の他、エッセイの執筆、MV映像監督を行うなど幅広く活動している。(HPより引用)

 

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記事を書いた人

伊藤 優果

SURUCCHAスタッフ・ライター

宮城県仙台市生まれ。大学生の頃にウェブマガジンの取材記事を執筆し、ことばを形にして人へ伝える喜びを知る。卒業後は地元の印刷会社に就職し、営業職を経験。紙や印刷技術が持つ無限の可能性に魅せられ、印刷はひとつの表現方法であると考えるようになる。現在はブライトにて、シルクスクリーン印刷所「SURUCCHA」のスタッフや、ライターとして勤務。心がけていることは「一刷入魂」。

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